営業の切り返しトーク集|よくある断り文句への返し方を例文で解説

営業で「結構です」「予算がありません」「検討します」と言われたとき、すぐに言葉を返そうとすると、一方的な反論になりがちです。まず相手の言葉を受け止め、断る理由を確認したうえで、状況に合った提案へつなげましょう。
本記事では、電話営業・商談・クロージングでよくある断り文句への切り返し方を、具体的な例文とともに紹介します。
この記事でわかること
- 切り返しでは、まず相手の言葉を受け止め、断る理由を一つ確認する
- 理由がわかったら、必要な情報や選択肢を示し、次の行動を決める
- 拒否の意思が明確な場合は、無理に食い下がらず会話を終える
【電話営業・テレアポ】受付や担当者に断られたときの切り返しトーク
電話営業では、提案内容を伝える前に断られることもあります。営業であることは認めたうえで、「何を改善するサービスか」「なぜその企業へ連絡したか」を短く伝えます。ここでは、領収書の読み取りから申請・承認、会計ソフトへの入力までを効率化する法人向け経費精算サービスを提案する場合を例に紹介します。
「営業ですか?」と聞かれたとき
営業であることをごまかすと、担当者につながった後も不信感が残ります。何に関する提案で、なぜ連絡したのかを短く伝えます。
受付:「営業電話ですか?」
営業:「はい。経費精算の申請や承認を効率化するクラウドサービスのご案内です。経理を担当されている方におつなぎいただけますでしょうか」
「営業です」と答えるだけでは、取り次ぐ理由が伝わりません。サービス名より先に、解決できる課題を伝えましょう。
担当者がわからない場合は、業務内容から確認します。
「営業部門の業務改善を担当されている方におつなぎいただけますでしょうか」
「結構です」「興味がありません」と言われたとき
提案の中身を十分に伝える前の「興味がない」は、サービスが不要という判断とは限りません。相手に関係するポイントを一つ伝え、現在の状況を確認します。
担当者:「今のところ興味はありません」
営業:「現在、経費精算で特に手間はかかっていないということですね。申請は紙とシステムのどちらで処理されていますか」
「結構です」と早い段階で断られた場合は、断る理由を二つに分けて確認します。
担当者:「結構です」
営業:「すでに同じようなサービスをお使いですか。それとも、現在は経費精算の業務で特にお困りごとはない状況でしょうか」
競合サービスを利用しているなら、利用状況や不満を確認します。現状に課題がない場合は、無理に説明を続けません。
「今は忙しいです」と言われたとき
相手が忙しいと伝えているなら、その場で説明を続けず、連絡を改められるか確認します。
担当者:「今は忙しいので話せません」
営業:「失礼しました。ご迷惑になりにくいお時間はございますか」
相手の口調や会話の流れから、すぐに電話を切るほどではないと判断できる場合は、30秒程度で概要を伝える方法もあります。
担当者:「今はちょっと忙しいですね」
営業:「承知しました。30秒で要点だけお伝えします。弊社は、領収書の読み取りから申請・承認までをオンラインで完結できる経費精算サービスを提供しています。現在、紙やExcelを使った処理は残っていますか」
明らかに急いでいる、口調が強い、繰り返し断られている場合は、説明を続けません。「30秒」と伝えた場合は、サービスの概要と質問一つに絞り、本当に短く終えます。
「間に合っています」「必要ありません」と言われたとき
この断り文句からは、社内で対応できているのか、外部サービスを使っているのかがわかりません。現在の対応方法を確認します。
担当者:「今は間に合っています」
営業:「すでに経費精算システムをお使いですか」
既存のシステムを利用している場合は、サービス名を聞くだけで終わらず、手作業が残っているかを確認します。
担当者:「はい、他社のシステムを使っています」
営業:「領収書の入力から承認、会計ソフトへの反映まで、そのシステム内で完結していますか」
一部に手作業が残っていれば、そこに絞って自社サービスとの違いを伝えます。
担当者:「会計ソフトへの入力は手作業です」
営業:「弊社のサービスは会計ソフトと連携できるため、転記が不要になります。現在の運用との違いを15分でご説明します。来週なら火曜と木曜、どちらが合わせやすいですか」
現在の運用に不満がなく、見直す予定もない場合は、無理に課題を作りません。
担当者:「今のシステムで特に困っていません」
営業:「承知しました。ちなみに、契約更新は何月ですか」
更新時期がわかれば、その前に比較材料を届けられます。更新予定も情報収集の意向もなければ、そこで電話を終えます。
「担当者が不在です」「今わかる人がいません」と言われたとき
担当者が不在なら、戻り時間を確認し、次に電話する時間まで決めます。
受付:「担当者はただいま不在です」
営業:「承知しました。本日は何時頃お戻りになりますか」
受付:「15時頃の予定です」
営業:「ありがとうございます。15時半頃に改めます」
担当者名がわからない場合は、部署を尋ねるだけで終わらず、担当業務を伝えて取り次ぎを求めます。
受付:「誰宛てでしょうか」
営業:「経費精算の運用を担当されている方におつなぎいただけますでしょうか。申請から承認までを効率化するクラウドサービスのご案内です」
「決裁者をお願いします」では、誰に何の用件があるのか伝わりません。「どの業務に関する提案か」「誰につないでほしいか」を明確にし、担当者への取り次ぎか再架電の時間確定まで進めます。
電話で見込み顧客との接点をつくり、継続的に商談機会を探る役割については「インサイドセールスとは」で詳しく解説しています。
「他社のサービスを使っています」と言われたとき
すでに他社のシステムを導入していても、入力や承認、会計処理に手作業が残っている場合があります。現在の利用範囲を確認します。
担当者:「すでに他社の経費精算サービスを使っています」
営業:「そうなんですね。領収書の読み取りから承認、会計ソフトへの反映まで、そのシステムで完結していますか」
システム名だけを聞いても、実際の運用状況まではわかりません。どこに手作業が残っているかを確認します。
担当者:「申請と承認には使っていますが、会計ソフトへの入力は手作業です」
営業:「弊社のサービスなら、承認済みのデータを会計ソフトへ自動で連携できます。現在の運用と比較できるよう、実際の画面を15分でご説明します。来週なら火曜の午後と木曜の午前、どちらが合わせやすいですか」
現在のシステムで問題なく運用できている場合は、無理に不満を探りません。次回の更新時期を確認します。
担当者:「今のシステムで特に困っていません」
営業:「承知しました。次回の契約更新はいつ頃ですか」
更新時期がわかったら、比較検討が始まる前に連絡する時期を決めます。
担当者:「来年3月です」
営業:「では、比較を始める前の1月に改めてご連絡します」
他社サービスを利用していること自体は、見込みなしの理由になりません。現在の利用範囲と手作業が残っている工程を確認し、自社サービスで改善できる点があれば商談へ進めます。現状に満足している場合は更新時期だけ押さえ、電話を終えます。
電話営業では、切り返しだけでなく、受付突破から用件説明、アポイントの打診までを一つの流れとして設計する必要があります。詳しくは「テレアポのトークスクリプトの作り方」をご覧ください。
【商談・提案】顧客の懸念に対する切り返しトーク集
商談で出る断り文句には、価格や効果、導入時期など具体的な懸念が含まれています。すぐに反論せず、どこが判断の妨げになっているのかを確認しましょう。
「価格が高い」と言われたとき
「高い」が、予算を超えているのか、他社より高いのか、期待する効果に見合わないのかによって対応は変わります。
相手:「思っていたより高いですね」
営業:「率直にありがとうございます。想定されていた予算との差でしょうか。それとも、期待できる効果に対して高いと感じられましたか」
費用対効果が伝わっていない場合は、導入によって削減できる工数や得られる成果を数字で示します。
「現在、月に約40時間かかっている作業を20時間まで減らせれば、人件費を含めて月額費用を上回る効果が見込めます」
価格への反応だけを見て、すぐに値引きするのは避けましょう。相手が求めているのは、値下げではなく費用の根拠や成果の見通しかもしれません。
「予算がありません」と言われたとき
予算がない場合は、今期の予算を使い切っているのか、そもそも予算化されていないのかを確認します。
「現時点で予算枠が残っていない状況でしょうか。それとも、まだ予算化されていない段階でしょうか」
今期の導入が難しくても、次期予算に向けて検討できる場合があります。
「次期の予算策定はいつ頃でしょうか。それまでに費用と導入効果を整理した資料をご用意します」
予算不足を理由に、安いプランへ誘導する必要はありません。検討時期や社内手続きを確認し、現実的な次の行動を決めます。
「今はタイミングではありません」と言われたとき
この言葉が出たら、「いつならよいか」だけでなく「何が整えば検討できるか」を確認します。
「どのような状況になれば、改めて検討できそうでしょうか」
たとえば、人員不足が落ち着く時期、既存契約の更新時期、新年度の予算確定後など、検討のきっかけがわかれば再提案の時期を決められます。
相手:「今期は難しいですね」
営業:「次年度の計画が固まる頃であれば、検討の余地はありますか」
相手:「12月頃なら話せると思います」
営業:「では、11月下旬に一度ご連絡します」
具体的な時期や条件が出ない場合は、優先順位が低い可能性もあります。何度も追客せず、いったん見送る判断も必要です。
「効果がわかりません」と言われたとき
まず、相手がどの成果を重視しているのかを確認します。売上、商談数、工数削減、採用数など、判断基準によって示すべき情報が変わります。
「導入効果を判断するうえで、特に重視されている指標はありますか」
指標がわかったら、近い条件の事例や試算を示します。
「御社と同程度の営業人数で導入した企業では、月間の商談数が15件から22件に増えています。御社の現在の数値をもとに、導入後の見込みを試算しましょうか」
実績を示すときは、都合のよい数字だけを切り取らず、業種や企業規模、導入期間も伝えます。条件が違いすぎる事例は、判断材料になりません。
「自社には合わない」と言われたとき
合わないと感じた点を具体的に聞きます。
「どの部分が御社の運用に合わないと感じられましたか」
機能、対象業務、社内体制など、理由がわかれば対応できるかを判断できます。
相手:「うちは営業担当が少ないので、使いこなせないと思います」
営業:「運用負荷をご懸念されているのですね。初期設定後は、営業担当の方が日常的に行う作業を3つに絞れます。実際の操作画面をお見せしましょうか」
相手の認識違いなら情報を補い、実際に条件が合わなければ率直に伝えます。無理に適合させようとすると、導入後の不満や解約につながります。
「すでに他社を利用しています」と言われたとき
既存サービスを否定せず、現在の満足度と見直しの可能性を確認します。
「現在のサービスで満足されている点と、もう少し改善したい点はありますか」
課題がある場合は、自社で補える部分に絞って提案します。
相手:「機能には満足していますが、サポートの返信が遅くて」
営業:「サポート面が見直しのポイントなのですね。弊社では専任担当が原則1営業日以内に回答しています。次回の更新時に比較できるよう、サポート内容をまとめた資料をお送りしますか」
現状に満足している相手へ、強引に乗り換えを勧めても商談は進みません。契約更新の時期を確認し、比較検討が始まる前に情報を届けられる状態をつくります。
「上司に確認します」と言われたとき
資料を渡して終わると、社内で何を確認され、どこで止まっているのか見えなくなります。まず、上司が重視する点を聞きましょう。
「上司の方が判断される際に、特に確認されそうな点はありますか」
費用、導入効果、運用負荷などの論点がわかれば、説明に必要な情報を補えます。
「費用対効果が主な確認事項であれば、現在の作業時間をもとに試算表を作成します。そちらを使ってご説明いただけそうでしょうか」
担当者だけで説明するのが難しい場合は、上司を交えた打ち合わせを提案します。
「必要であれば、私から詳細をご説明します。次回は上司の方にもご参加いただくことは可能でしょうか」
上司への確認時期も聞き、結果を確認する日まで決めておくと、連絡が途切れにくくなります。
【商談・クロージング】「検討します」と言われたときの切り返しトーク
「検討します」には、前向きな保留だけでなく、判断材料の不足や社内調整、断りづらさも含まれます。そのまま商談を終えず、何を検討するのか確認しましょう。
何を検討するのか確認する
まずは、相手が迷っている点を具体化します。
「ありがとうございます。検討するうえで、特に気になっている点を伺ってもよろしいでしょうか」
相手が答えにくそうな場合は、選択肢を示すと会話が進みます。
「価格、機能、導入時期のうち、もう少し確認したい点はありますか」
懸念がわかれば、その場で補足するか、必要な情報を後から送れます。相手が「特にありません」と答えた場合は、提案の優先度が低い可能性も考えます。
判断に必要な情報が揃っているか確認する
提案内容に納得していても、導入後の運用や費用対効果が見えず、判断できない場合があります。
「社内で判断いただくために、追加で必要な情報はありますか」
必要な情報が明確になったら、提出物と期限を決めます。
相手:「導入後の流れがわかる資料がほしいです」
営業:「承知しました。初期設定から運用開始までの流れをまとめ、本日中にお送りします」
資料を増やせば検討が進むとは限りません。相手が判断に使う情報だけを確認し、必要な範囲に絞って渡しましょう。
比較条件と意思決定の流れを確認する
他社と比較している場合は、企業名よりも選定基準を確認します。
「比較する際は、どの条件を重視されていますか」
価格、機能、支援体制などの優先順位がわかれば、自社の強みを相手の判断軸に沿って伝えられます。
あわせて、誰がどのように決めるのかも確認します。
「今後は、どなたと相談して決定される予定でしょうか」
決裁者や利用部門が別にいる場合は、それぞれが必要とする情報を整理します。担当者だけに説明を任せるのが難しければ、関係者を交えた打ち合わせを提案しましょう。
次回の連絡日を決める
「検討後にご連絡ください」と相手に任せると、商談が止まりやすくなります。社内確認に必要な期間を聞き、次に連絡する日を決めます。
「社内でのご確認には、どのくらいかかりそうでしょうか」
相手が「1週間程度」と答えたら、具体的な日程まで合意します。
「では、来週水曜日の午後に、検討状況を確認させていただいてもよろしいでしょうか」
結論が出る日を約束する必要はありません。次回までに誰が何を確認するのかを整理し、状況を共有する日を決めておけば、検討が止まっている原因にも対応できます。
商談で顧客の懸念を整理し、受注まで進める営業の役割については「フィールドセールスとは」も参考にしてください。
営業の切り返しトークで使える4つの話法
切り返しトークにはいくつかの型があります。言葉をそのまま暗記するより、相手の反応に合わせて使い分けるほうが自然な会話になります。
肯定法|相手の言葉を受け止める
肯定法は、相手の意見をいったん受け止めてから話を進める方法です。否定から入らないため、警戒心を強めずに会話を続けられます。
相手:「今は新しいサービスを入れる余裕がありません」
営業:「そうですよね。運用が落ち着かない状態で、新しい仕組みを増やすのは難しいと思います。現在、特に負担が大きい業務はどこでしょうか」
同意するのは、相手の判断そのものではなく、そう感じる事情や懸念です。「必要ありません」に対して「おっしゃるとおりです」と返すと、会話がそこで終わってしまいます。
質問法|断る理由や本音を確認する
質問法は、曖昧な断り文句を具体化するときに使います。
相手:「うちには必要ないと思います」
営業:「現在の運用で困っていないためでしょうか。それとも、サービスの内容が御社に合わないと感じられましたか」
「なぜですか」と直接聞くと、問い詰められているように感じる人もいます。考えられる理由を二つほど示すと、相手が答えやすくなります。
質問を続けすぎるのも避けましょう。最初の回答から提案の余地がないとわかったら、それ以上深掘りする必要はありません。
例話法|類似する顧客の事例を伝える
例話法は、相手と似た状況の事例を示し、導入後の変化をイメージしてもらう方法です。
相手:「営業担当が少ないので、運用できるか不安です」
営業:「同じく営業3名で導入した企業では、入力項目を5つに絞って運用しています。1件あたりの入力時間は2分ほどです」
事例は、相手と条件が近いものを選びます。大企業の成功事例をそのまま中小企業に当てはめても、説得力はありません。業種や組織規模、導入前の課題まで伝えると、自社との共通点を判断しやすくなります。
Yes if法|条件を確認して次の提案につなげる
Yes if法は、「もし条件が整えば検討できるか」を確認する話法です。相手が判断を迷っている場面で使えます。
相手:「費用がもう少し抑えられれば検討できるのですが」
営業:「初期費用を抑えられれば、月額料金は現在の条件でも検討いただけそうでしょうか」
条件が明確になれば、見積もりや契約内容を調整する価値があるか判断できます。
ただし、相手が明確に断っている場面で使うと、条件を変えながら契約を迫る印象になります。一定の関心があり、残っている課題が絞れている場合に使いましょう。
営業で避けたい切り返しトーク
切り返し方を誤ると、相手の警戒心を強めてしまいます。次のような対応は避けましょう。
「でも」「いや」と相手の言葉を否定する
相手の発言を否定すると、提案内容よりも自分の判断を守ることに意識が向きます。
悪い例
「でも、実際に使っていただければ効果はわかります」
一度受け止めてから、そう感じた理由を確認します。
改善例
「効果を判断しにくいと感じられたのですね。どの部分が不明確だったか教えていただけますか」
「ただ」「とはいえ」も、使い方によっては反論に聞こえます。接続詞を足すより、質問に切り替えたほうが会話は進みます。
断る理由を確認せず商品説明を続ける
「必要ありません」と言われた直後に機能や実績を説明しても、相手が断った理由と内容が合っていなければ響きません。
悪い例
「弊社のサービスには〇〇機能もあり、多くの企業に導入されています」
改善例
「現在の方法で特に困っていないためでしょうか」
理由を確認してから、関係する情報だけを伝えます。説明を増やすほど、説得力が上がるとは限りません。
価格を理由に断られたら、すぐ値引きする
価格への反応だけで値引きすると、費用対効果や導入効果への疑問は解消されません。まず、高いと感じた理由を確認します。
悪い例
「それでは、今月中に決めていただければ20%値引きします」
改善例
「ご予算との差でしょうか。それとも、期待できる効果に対して高いと感じられましたか」
値引きを検討する場合も、対象範囲や契約期間など、条件とセットで調整します。
不安をあおって即決を迫る
「今契約しないと損をする」「競合に遅れる」と強く迫ると、相手は提案内容よりも契約リスクを警戒します。
悪い例
「今始めないと、来年には競合との差がかなり広がりますよ」
判断期限がある場合は、理由と日付を具体的に伝えましょう。
改善例
「現在の料金を適用できるのは9月30日までです。社内確認に必要な資料があれば、今週中にご用意します」
検討時間を奪って取った契約は、導入後の認識違いや早期解約にもつながります。
明確に拒否されても食い下がる
相手が「必要ありません」「今後の連絡は不要です」と明確に伝えているなら、それ以上の切り返しは逆効果です。
悪い例
「最後に一つだけ質問させてください」
改善例
「承知しました。お時間をいただき、ありがとうございました」
切り返しは、会話を続ける余地があるときに使います。拒否の意思が明確な相手には、速やかに電話や商談を終えましょう。
自社に合った切り返しトーク集の作り方
汎用的な例文をそのまま使っても、商材や顧客層に合わないことがあります。実際の電話や商談をもとに、自社用のトーク集を作りましょう。
実際に受けた断り文句を記録する
まずは、顧客から言われた言葉をそのまま記録します。「予算がない」と要約せず、「今期はもう予算を使い切った」のように残すのがポイントです。
あわせて、次の情報も記録します。
- 電話営業・初回商談・提案後などの場面
- 相手の部署や役職
- 断り文句の前に説明した内容
- その後に返した言葉
- 会話や商談の結果
前後の状況まで残すと、同じ断り文句が出やすい場面も見えてきます。
断り文句の背景や本音を分類する
集めた断り文句を、顧客が判断できない理由ごとに分けます。
- 必要性を感じていない
- 導入の優先順位が低い
- 予算を確保できない
- 効果や費用対効果が見えない
- 社内の合意を取れていない
- 他社や既存の方法に満足している
「検討します」という同じ言葉でも、背景が違えば返し方も変わります。表面的な言葉だけで分類しないようにしましょう。
確認する質問と次の提案をセットで作る
切り返しトークは、質問だけで終わらせず、回答に応じた次の提案まで用意します。
たとえば、「予算がない」と言われた場合は、次のように設計できます。
- 確認する質問:「今期の予算枠がないのか、費用対効果を判断できないのか」
- 今期予算がない場合:次期の予算策定時期を確認する
- 効果が見えない場合:現在の数値をもとに試算する
- 優先順位が低い場合:解決したい時期や条件を確認する
回答ごとの進め方を決めておけば、想定外の反応にも対応しやすくなります。
ロールプレイで会話として成立するか確かめる
作成したトークは、実際に声に出して確認します。文章では自然に見えても、会話にすると長い、質問が堅い、説明口調になっているといった問題が見つかります。
ロールプレイでは、次の点を確認しましょう。
- 一文が長すぎないか
- 相手の発言を遮っていないか
- 質問の意図が伝わるか
- 回答に応じて会話を変えられるか
- 断られたときに会話を終えられるか
台本を一字一句読む練習より、相手の回答に合わせて選べる複数の返しを用意するほうが実践的です。
結果を記録してトークを更新する
トークを使った後は、会話が続いたか、商談や次回連絡につながったかを記録します。
電話営業なら、担当者接続率やアポイント率だけでなく、断り文句ごとの切り返し後通話継続率も確認すると改善点を見つけやすくなります。商談では、次回日程の合意率や失注理由を見ます。
成果が出た言い回しを残し、反応が悪いものは質問や伝える順番を見直しましょう。定期的に更新することで、自社の顧客に合った切り返しトーク集になります。
営業の切り返しトークに関するよくある質問
切り返しトークと応酬話法の違いは?
応酬話法は、顧客の質問や反論に対応するための会話技法です。肯定法や質問法、例話法などが含まれます。
切り返しトークは、応酬話法を使って実際に返す言葉を指します。たとえば、質問法を用いた「どの点が判断の妨げになっていますか」といった返答が切り返しトークにあたります。
切り返しトークは暗記したほうがよい?
一字一句暗記する必要はありません。言葉を忘れたときに会話が止まったり、相手の回答に関係なく台本を続けたりする原因になります。
覚えておきたいのは、断り文句ごとに「何を確認するか」「回答に応じて何を提案するか」の2点です。基本の流れを押さえたうえで、自分が話しやすい言葉に置き換えましょう。
業種や商材によって切り返し方を変えるべき?
扱う商材や顧客によって変える必要があります。低価格の商品と、複数部署の承認が必要な法人向けサービスでは、顧客が判断するまでの流れが異なるためです。
顧客の役職や検討段階によっても、確認すべき内容は変わります。現場担当者には運用方法、管理職には費用対効果、決裁者には経営課題への影響など、相手が判断に必要とする情報を踏まえて切り返しましょう。
まとめ|切り返しトークは断る理由を確認するために使う
営業の切り返しでは、相手の言葉を受け止め、断る理由を確認してから、状況に合った情報や選択肢を提示します。
用意した例文をそのまま当てはめるのではなく、相手の回答を聞いて次の対応を決めることが大切です。明確に拒否された場合は無理に会話を続けず、適切なタイミングで引きましょう。
実際の電話や商談で出た断り文句と結果を記録し、切り返しトークを更新していけば、自社の顧客や商材に合ったトーク集を作れます。
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