電話営業のかけ方とコツ|アポにつながる話し方・トークスクリプト例文

電話営業で成果が出ないとき、「話し方が悪いのではないか」と考えがちです。もちろん、聞き取りやすい話し方や適切な言葉遣いは大切です。
ただし、アポイントにつながらない原因は、話術だけとは限りません。誰に電話をかけるのか、なぜその企業へ連絡したのか、最初に何を確認するのかが曖昧なままでは、どれだけ流ちょうに話しても相手に必要性を感じてもらいにくいためです。
本記事では、法人向けの新規電話営業・テレアポを想定し、電話をかける前の準備、基本的な進め方、場面別のトーク例文、成果を改善するための見方を解説します。
この記事でわかること
- 電話営業は、話し方だけでなく架電前の設計で成果が変わる
- 相手や場面に合わせた会話で、次のアクションにつなげられる
- アポにつながらない理由を見極め、改善するポイントがわかる
電話営業とは?テレアポ・インサイドセールスとの違い
電話営業とは、電話を使って見込み顧客や既存顧客へ働きかける営業活動全般を指します。新規顧客へのアポイント獲得だけでなく、問い合わせへの折り返し、休眠顧客への再提案、商談後のフォローも電話営業に含まれます。
電話営業とテレアポの違い
テレアポは、電話でアポイントを獲得する活動を指します。一方、電話営業は、アポイント獲得を含む電話を使った営業活動全般です。
たとえば、過去に資料請求があった企業へ連絡し、検討状況や次回の連絡時期を確認する活動は、アポイントに至らなくても営業上の前進になることがあります。
電話を切る時点で商談日程が決まらなかったとしても、担当部署や導入時期が分かれば、次の提案につながる情報を得られます。
電話営業とインサイドセールスの違い
インサイドセールスは、電話、メール、オンライン会議などを使い、非対面で見込み顧客との関係をつくる営業活動です。電話営業は、インサイドセールスにおける手段の一つと考えると分かりやすいでしょう。
インサイドセールスでは、すぐに商談化しない相手についても、検討時期や課題を記録し、適切なタイミングで再度アプローチします。1回の電話で完結させるのではなく、複数の接点を設計する点が特徴です。
電話営業を始める前に準備すること
電話営業では、通話が始まってから考えられる時間は限られています。誰に、何を伝え、どこまで確認するのかを事前に決めておくと、短い会話でも必要な情報を得やすくなります。
電話をかける目的とゴールを決める
まずは、今回の架電で何を達成したいのかを決めます。
たとえば、展示会で名刺交換した企業へのフォローなら、「資料を見たか」「どの部署が担当か」「詳しい説明を聞く意思があるか」を確認することが目的になります。過去に失注した企業への再提案なら、前回見送りになった理由や、状況が変わったかどうかを確認することが先です。
目的が決まっていないと、会話の途中で商品説明に寄りすぎたり、資料送付だけで終わったりしやすくなります。電話を切る前に何を決めるのかを、1つだけ設定してください。
アプローチする企業・担当者を絞る
電話営業の対象は、業種だけで決めない方がよいでしょう。同じ業界でも、企業規模、拠点数、現在の運用によって課題は異なります。少なくとも、次の項目は整理します。
- 業界・業態
- 売上高や従業員数などの企業規模
- 店舗・施設・営業所などの拠点数
- 想定する担当部署と役職
- 現在使っているサービスや代替手段
- 課題が起こりやすい場面
- 導入を判断する部署や決裁者
たとえば勤怠管理システムなら、「従業員50名以上」「複数拠点」「紙やExcelで集計している可能性がある企業」「人事または総務が管理している企業」といった条件を置くと、電話した理由を説明しやすくなります。
架電リストを整える
リストには企業名と電話番号だけでなく、電話をかける理由につながる情報を持たせます。
たとえば、拠点数、求人状況、利用しているツール、直近の出店情報などです。すべての項目を埋める必要はありませんが、電話する理由を一文で言える程度の情報は必要です。
また、通話結果を記録する欄も事前に用意します。不在、担当者接続、資料送付、再連絡、アポイントといった選択肢に加え、次回連絡日、担当者名、断りの理由を残せるようにしておくと、重複した架電や的外れな再提案を防げます。
相手に伝える価値を20秒で言える形にする
電話の冒頭では、機能を並べるのではなく、「誰の、どの業務を、どう変えるサービスか」を伝えます。
たとえば、次の説明は機能が中心です。
当社はクラウド型の多言語対応デジタル案内サービスを提供しています。
相手にとっての価値まで含めると、次のようになります。
宿泊施設様の館内案内をデジタル化し、紙の差し替えや多言語版の更新にかかる手間を減らすサービスをご案内しています。
目安は20秒程度です。声に出して読んだときに長いと感じる場合は、実績や機能の説明を削りましょう。詳しい内容は、相手の状況を聞いてから必要なものだけ伝えます。
架電する曜日・時間帯の仮説を立てる
電話がつながりやすい時間帯は、相手の仕事によって異なります。飲食店の昼営業前と、オフィス勤務者の昼前では状況が違うため、「午前中ならつながる」と一律に決めるのは適切ではありません。
最初は仮説を置き、結果を記録して調整します。たとえば100件のリストを午前と午後に分け、担当者への接続数を比較します。午前50件で担当者接続が8件、午後50件で3件なら、次回は午前の比重を増やす判断ができます。
同じ企業へ時間帯を変えて再度電話する場合も、履歴を確認し、短期間に連絡が集中しないよう注意してください。
トークスクリプトと質問の分岐を用意する
トークスクリプトは、一字一句を読み上げるための原稿ではありません。会話の順番と、相手の反応に応じた分岐をそろえるためのものです。
最低限、次の場面を想定しておきましょう。
- 受付につながった場合
- 用件を聞かれた場合
- 担当者が不在の場合
- すでに他社サービスを利用している場合
- 課題はあるものの時期が未定の場合
- 関心があり、詳しい説明を希望する場合
質問は3〜5個に絞ります。初回の電話で予算、決裁者、導入時期まで一気に聞こうとすると、相手の負担が大きくなります。まずは、現在の方法、困る場面、見直しの予定など、提案の可否を判断できる項目から確認しましょう。
電話営業の基本的なかけ方【7ステップ】
電話営業は、名乗り、用件、状況確認、提案、次の行動という順序で進めます。自社説明を先に終わらせようとせず、相手の反応を見ながら情報量を調整することが大切です。
1.会社名と氏名を名乗る
電話がつながったら、会社名と氏名を省略せずに名乗ります。早口になると聞き返しが発生し、その後の会話も落ち着きません。普段の会話より少しゆっくり、語尾まで明瞭に話しましょう。
お世話になります。株式会社〇〇の△△と申します。
新規の架電で「お世話になっております」と言うことに違和感がある場合は、「突然のお電話失礼いたします」でも構いません。
2.担当者への取り次ぎを依頼する
受付には、担当者の役職だけでなく、担当業務を伝えます。
店舗の採用をご担当されている方へおつなぎいただけますか。
「営業のご担当者様」「システムのご担当者様」では範囲が広く、受付も判断できません。担当者名が分かる場合は、部署名と氏名を伝えましょう。
3.電話した理由を簡潔に伝える
担当者につながったら、準備した電話理由を、相手に関係する業務と合わせて簡潔に伝えます。
複数店舗を運営されている企業様へ、アルバイト採用の応募対応を効率化するサービスをご案内しており、お電話しました。
相手が「自社に関係がある電話か」を判断できる情報を先に出すことで、会話を続けてもらいやすくなります。
4.現在の運用を質問する
「何かお困りですか」と聞いても、相手はすぐに答えられません。現在の方法を確認する質問に変えましょう。
現在、応募者への初回連絡は各店舗で対応されていますか。それとも本部でまとめて対応されていますか。
選択肢がある質問は答えやすく、現状の運用も把握できます。ただし、尋問のように質問を続けず、回答を受けて一言返してから次へ進みます。
5.回答に合わせて提案する
相手の回答から課題を特定し、関係する機能や事例だけを伝えます。
たとえば、「応募者への連絡が店舗任せで、対応速度に差がある」と分かった場合は、一括管理や自動連絡の仕組みを説明します。すべての機能を紹介する必要はありません。
相手が話した内容と提案を結び付けることで、売り込みではなく、状況に対する提案として受け取られやすくなります。
6.次の行動を具体的に提示する
相手が関心を示したら、商談や資料送付を提案します。日程調整では、所要時間と候補日を示してください。
現在の運用をもう少し伺い、近い企業様の事例をご紹介できればと思います。30分ほどオンラインで、火曜の午後か木曜の午前はいかがでしょうか。
資料送付の場合も、送付先の確認だけで終わらせず、誰がいつ連絡するかまで決めます。
7.通話結果と次回対応を記録する
電話を切ったら、時間を空けずに結果を記録します。最低限、次の項目を残しましょう。
- 対応者の部署・氏名
- 現在の対応方法
- 課題や関心を示した内容
- 断りの理由
- 資料送付の有無
- 次回の連絡日と担当者
- アポイント日時
「不在」「見込みなし」だけでは、次に電話する人が同じ会話を繰り返してしまいます。相手の発言を短く具体的に残すことが、次回の電話の質を高めます。

【場面別】電話営業で使えるトークスクリプト・例文
ここからは、法人向けの新規開拓を想定した例文を紹介します。そのまま読み上げるのではなく、自社の商材、対象企業、電話をかけた理由に合わせて調整してください。
受付へ電話する場合
お世話になります。株式会社〇〇の△△と申します。
店舗スタッフの採用業務についてご提案があり、お電話しました。採用を管理されている方へおつなぎいただけますか。
受付には、取り次ぎ先を判断できる情報が必要です。「責任者をお願いします」だけでは、誰につなげればよいか分かりません。
この場面の目的は、無理に担当者へつないでもらうことだけではありません。担当部署、担当者名、つながりやすい時間帯を確認できれば、次回の架電精度が上がります。
用件を聞かれた場合
応募者への連絡を自動化し、面接設定までの時間を短縮するサービスのご案内です。
採用のご担当者様に、現在の運用について1点だけ伺いたく、お電話しました。
用件を聞かれた際は、「営業の件です」とだけ答えるよりも、何に関する話かを簡潔に伝えます。
ただし、受付で商品説明を長く始める必要はありません。受付が判断できる程度に用件を伝え、担当者につながったあとに状況を確認します。
担当者につながった場合
突然のお電話失礼いたします。株式会社〇〇の△△と申します。
複数店舗を運営されている企業様へ、応募対応を一元管理するサービスをご提供しています。
貴社の採用ページを拝見し、店舗ごとの応募対応にお役立ていただける可能性があると思い、ご連絡しました。
現在、応募者への初回連絡は各店舗で対応されていますか。
担当者につながった直後は、会社紹介や機能説明を長く続けず、電話した理由と最初の質問を伝えます。
「御社も採用にお困りだと思いまして」と課題を決めつけるのではなく、「お役立ていただける可能性があると思い」と表現すると、相手が状況を訂正しやすくなります。
資料送付を提案する場合
店舗ごとの対応状況を、本部で確認できる仕組みがあります。
画面例を載せた資料をメールでお送りしてもよろしいでしょうか。
ご確認いただいた頃に、来週の火曜か水曜に改めてお電話してもよろしいですか。
資料送付では、送付先を確認して終わりにしないことが大切です。資料を送る理由と、次回連絡の目安まで決めます。
また、総合資料を一律で送るより、相手が関心を示した内容に近い資料を送る方が、次回の会話につながりやすくなります。
アポイントを提案する場合
応募後の連絡に1日以上かかることがあるとのことでしたので、連絡を自動化した企業様の事例が参考になると思います。
現在の流れを伺ったうえで具体的にご説明したいのですが、30分ほどオンラインでお時間をいただけますか。
今週木曜の15時か、金曜の11時はいかがでしょうか。
アポイントを提案する際は、相手から聞いた状況と、商談で得られる情報を結び付けます。
「詳しい説明をさせてください」だけでは、相手にとって時間を取る理由が分かりません。「何を確認し、どのような事例を紹介するのか」まで伝えると、商談の目的が明確になります。
担当者が不在だった場合
ありがとうございます。改めてお電話したいのですが、〇〇様がお戻りになりやすい曜日や時間帯はありますか。
戻る時間を教えてもらえない場合は、無理に聞き出す必要はありません。担当者名が分かった場合は、部署名や漢字表記も確認して記録します。
「いつならつながりますか」と聞くより、「お戻りになりやすい時間帯はありますか」と尋ねる方が、受付にも負担をかけにくいでしょう。
以前断られた相手へ再度電話する場合
以前、店舗採用の応募対応についてご連絡した株式会社〇〇の△△です。
その際は見直しの予定がないと伺っていましたが、同規模の企業様での導入事例を新たに公開したため、ご参考になるかと思いご連絡しました。
再連絡には理由が必要です。新しい導入事例、料金体系や機能の変更、相手から聞いた検討時期など、前回とは異なる情報がある場合に限りましょう。
前回と同じ内容を、担当者や時間帯だけ変えて繰り返すと、企業全体への印象を損なうおそれがあります。
電話営業でアポにつなげる話し方のコツ
電話営業で重要なのは、話す量を増やすことではありません。相手が「自社に関係がある話か」「少し聞いてもよいか」を判断できるように、会話を設計することが大切です。
最初の一言で、何の電話かを伝える
担当者につながったあと、最初の10〜20秒で、何に関する電話なのかが伝わらなければ、会話は続きにくくなります。
会社名、サービス名、導入実績を順番に伝えるのではなく、相手が関わる業務から入ります。
複数拠点をお持ちの企業様へ、勤怠集計の負担を減らす仕組みをご案内しています。
このように、対象と業務を先に伝えると、相手は自社との関係を判断しやすくなります。
商品説明より、電話した理由を先に伝える
相手が最初に知りたいのは、機能の詳細よりも「なぜ自社に電話をかけてきたのか」です。
Webサイトで確認した店舗数、採用情報、提供地域、事業内容などの公開情報を根拠にすると、電話の理由を自然に伝えられます。
ただし、調べた情報から課題を断定してはいけません。
店舗数が多いので、応募対応にお困りだと思いまして。
ではなく、次のように伝えます。
複数店舗を運営されている企業様での活用例があるため、ご参考になる可能性があると思い、ご連絡しました。
相手の状況を決めつけず、確認する余地を残してください。
相手が答えやすい質問をする
「何かお困りですか」「効率化に興味はありますか」といった質問は、答えが抽象的になりやすく、会話が止まりがちです。
現在の方法を確認する質問に変えると、相手は答えやすくなります。
「業務を効率化したいですか?」
「月末の集計はExcelで行っていますか。それともシステムを使っていますか」
現状を確認したうえで、「その方法で手間がかかる場面はありますか」と一段深く聞くと、提案の方向性を判断しやすくなります。
声のトーン・速さ・相槌を相手に合わせる
明るく大きな声で話すことが、常に正解とは限りません。落ち着いて話す相手に対して、一方的にテンションを上げると、売り込みの印象が強くなります。
相手が短く答える場合は、質問数と説明を減らします。詳しく状況を話してくれる場合は、遮らずに聞き、要点を確認してから次の質問へ進みます。相槌も、「はい」を繰り返すより、相手の言葉を短く受け止める方が自然です。
各店舗で対応されているのですね。
それだと、対応状況の確認は本部でされる形でしょうか。
相手の回答を受けてから次の質問をすることで、台本を読んでいる印象を減らせます。
一方的に話しすぎず、回答に合わせて提案する
電話の冒頭で、自社の機能や導入実績をすべて伝える必要はありません。相手の回答に関係する内容だけを選びます。
たとえば、「応募者への連絡が遅れやすい」という話が出た場合は、連絡の自動化や対応状況の可視化に絞って説明します。採用ページ作成や分析機能まで一度に話すと、かえって要点がぼやけます。
電話で説明するのは、商談で詳しく聞く価値があるかを判断できる程度で十分です。
所要時間と候補日を具体的に提示する
商談を提案するときは、「一度お時間をいただけませんか」だけで終わらせず、所要時間と候補日を伝えます。
現在の運用に近い事例をご紹介したいので、30分ほどオンラインでお時間をいただけますか。
火曜の14時か、木曜の午前でしたら、どちらがご都合よいでしょうか。
候補が合わなければ、相手から希望日時を聞きます。日程調整ツールを案内する場合も、相手がその場で決められるなら、電話中に日時を確定した方が確実です。
よくある断り文句への対応例
断り文句が出たときは、反論してアポイントへ戻そうとするのではなく、理由を確認します。相手が会話を終えたい意思を示している場合は、引き延ばさずに終了しましょう。
「今は必要ありません」
承知しました。現在は社内で対応されているのでしょうか。それとも、すでに別のサービスをお使いですか。
「今は必要ない」の理由は、課題がない、時期が違う、他社を利用している、担当外であるなど、さまざまです。回答が得られれば、再連絡の要否を判断できます。
ただし、明らかに会話を終えたい口調の場合は、理由を聞かずに終了してください。
「忙しいので結構です」
失礼いたしました。改めてのご連絡も控えた方がよろしいでしょうか。
忙しいだけなのか、提案自体を断っているのかを区別します。忙しい時間帯だっただけなら、別の時間に連絡できる可能性があります。一方、再連絡を望まない意思が示された場合は、履歴に残して連絡を止めます。
「すでに他社を利用しています」
ありがとうございます。差し支えなければ、現在のサービスはいつ頃更新されるご予定でしょうか。
他社利用は、必ずしも見込みなしではありません。ただし、強い不満があることを前提にせず、更新時期や重視している点を確認します。満足しており、見直し予定もない場合は、追いかける優先度を下げましょう。
「資料を送ってください」
ありがとうございます。内容を絞ってお送りしたいので、現在は各店舗で個別に対応されているか、本部で一括管理されているかだけ伺ってもよろしいでしょうか。
資料送付が、会話を終えるための言葉である場合もあります。質問を一つだけ加え、回答が得られたら関心に合う資料を送ります。
送付後の連絡を望まない場合は、その意向も記録してください。
「予算がありません」
承知しました。今期は予算化が難しい状況でしょうか。それとも、現時点では見直しの優先度が低い状況でしょうか。
予算不足と優先度の低さでは、その後の対応が異なります。来期に予算化する可能性があるなら時期を確認し、優先度が低い場合は無理に金額の話を続けないようにします。
電話営業がうまくいかない原因と改善方法
電話営業の成果が伸びないときは、アポ率だけを見るのではなく、どの段階で止まっているかを確認します。
電話がつながらない場合
呼び出しても応答がない、営業時間外の案内が流れるといった結果が多い場合は、リスト情報か時間帯を見直します。
電話番号が古い、代表番号ではなく店舗番号へかけている、相手の繁忙時間と重なっている可能性があります。曜日・時間帯別に接続率を集計し、つながる時間帯へ架電を寄せましょう。
また、同じ企業へ再度電話する場合は、前回と異なる時間帯を試します。架電履歴を確認せず、短期間に同じ時間帯へ繰り返し連絡すると、相手に負担をかけるおそれがあります。
受付から先へ進めない場合
受付で止まる場合は、担当部署や用件が曖昧になっていないかを確認します。
「営業の件です」「責任者をお願いします」では、受付が取り次ぐ判断をしにくくなります。対象企業10社ほどの組織図、採用情報、サービス内容を調べ、どの部署が担当しているか仮説を立てましょう。
たとえば、採用支援サービスなら人事だけでなく、店舗運営部門や採用代行会社が窓口になっている場合もあります。受付で確認できた正式な部署名や担当者名は、その場で記録し、次回の架電に活用します。
担当者に話を聞いてもらえない場合
担当者にはつながるものの、冒頭ですぐ断られる場合は、ターゲットか切り出し方に課題がある可能性があります。
まずは、業界や企業規模ごとに結果を分け、特定の層だけ反応が悪くないかを確認します。すべての企業に同じトークを使うのではなく、反応がある層から、電話をかける理由と最初の質問を調整しましょう。
また、冒頭の説明を録音し、20秒以内に「何の業務に関する電話か」が伝わっているかを確認してください。サービス名や自社の実績ばかりが先に出ている場合は、相手に関係する業務から入り直します。
相手の状況を聞き出せない場合
相手が「特にありません」としか答えない場合は、質問が抽象的かもしれません。
「課題はありますか」ではなく、担当者、使用ツール、件数、作業時間など、事実を答えられる質問に変えます。
たとえば、「採用でお困りですか」ではなく、「応募者への初回連絡は各店舗と本部のどちらが担当されていますか」と聞けば、相手は現在の運用を答えやすくなります。
ただし、初回の電話で予算や決裁者まで一気に聞こうとすると、警戒されることがあります。会話の目的に必要な項目から確認し、詳しい条件は商談日程の確定後や商談内で聞く方法もあります。
アポイントにつながらない場合
会話は続くのに日程が決まらない場合は、相手が「商談するほどのテーマではない」と感じている可能性があります。
このときは、「詳しくご説明します」と商談を案内するのではなく、電話で出た話題に絞って面談の目的を置きます。
たとえば、相手が月末の勤怠集計に負担を感じているなら、「同規模の企業で、締め作業にかかる時間を減らした運用事例を15分ほどでご紹介できます」と伝えます。課題・得られる情報・所要時間を一緒に示すことで、商談の必要性が伝わりやすくなります。
それでも日程が決まらない場合は、候補日の出し方も見直します。「ご都合のよい日はありますか」ではなく、「火曜の午前か、水曜の15時以降ではどちらがご都合よいでしょうか」と、選べる形で聞きましょう。
資料送付になった場合も、送付だけで終わらせません。「明後日、資料をご覧いただいたうえで5分ほどお電話してもよろしいでしょうか」と、次の接点まで決めてから切電します。
商談が受注につながらない場合
アポイント数は多いのに受注が少ない場合、電話営業の評価をアポイント獲得時点で終わらせないことが重要です。
対象外企業の商談が多い、担当者に決裁への関与がない、情報収集だけで導入予定がないなどの原因が考えられます。
商談担当者から結果を戻してもらい、「受注につながったアポイントに共通する条件」を架電側の質問へ反映しましょう。電話営業と商談担当が別の場合も、商談後の情報を共有する仕組みをつくることが必要です。
電話営業で確認すべきKPI

電話営業では、架電数だけでなく、次の段階へ進んだ割合を確認します。
架電数
実際に電話をかけた件数です。活動量を見る基本指標ですが、架電数だけではリストやトークの質を判断できません。
接続率
電話がつながった割合です。
接続率 = 接続数 ÷ 架電数 × 100
たとえば、200件へ電話し、受付を含めて80件つながった場合、接続率は40%です。
担当者接続率
架電したうち、提案先の担当者と会話できた割合です。
担当者接続率 = 担当者接続数 ÷ 架電数 × 100
200件の架電で担当者と20件会話できた場合、担当者接続率は10%です。接続率は高いのに担当者接続率が低ければ、受付で止まっている可能性があります。
アポイント率
電話からアポイントを獲得できた割合です。分母を架電数にする場合と、担当者接続数にする場合があるため、社内で統一します。
架電数に対するアポ率 = アポ数 ÷ 架電数 × 100
担当者接続数に対するアポ率 = アポ数 ÷ 担当者接続数 × 100
200件の架電、担当者接続20件、アポイント4件なら、架電数に対するアポ率は2%、担当者接続数に対するアポ率は20%です。
商談実施率
獲得したアポイントのうち、実際に商談を行えた割合です。
商談実施率 = 商談実施数 ÷ アポイント数 × 100
アポイント10件のうち8件を実施した場合、商談実施率は80%です。日程変更や無断キャンセルが多い場合は、日程確定後の案内やリマインドを見直します。
受注率
実施した商談のうち、受注した割合です。
受注率 = 受注数 ÷ 商談実施数 × 100
商談8件から1件受注した場合、受注率は12.5%です。アポ率が上がっても受注率が大きく下がるなら、対象企業やアポイントの条件を見直す必要があります。
KPIは、一つずつ独立して見るのではなく、架電から受注までをつなげて確認します。
| 起きていること | 最初に見直す場所 |
|---|---|
| 接続率が低い | 架電時間、電話番号、リスト情報 |
| 受付で止まりやすい | 担当部署の仮説、用件の伝え方 |
| 担当者がすぐ断る | ターゲット、冒頭20秒、電話した理由 |
| 会話は続くがアポにならない | 質問設計、商談で得られる価値、候補日の出し方 |
| アポは取れるが受注につながらない | アポ条件、商談担当への引き継ぎ内容 |
たとえば担当者との会話を増やしたい場合、アポイントトークを変える前に、受付での伝え方や担当者情報を改善する必要があります。数字を分けることで、手を入れる場所が明確になります。
電話営業を改善するための運用方法

電話営業は、個人の話術だけに任せると、成果が出た理由も失注した理由も残りません。記録と振り返りを通じて、チームで改善できる状態をつくることが大切です。
通話結果と次回対応を一元管理する
企業情報、担当者、通話結果、次回予定を一か所で管理します。個人のメモや別々の表に分散すると、同じ企業へ複数人が電話したり、再連絡の時期を逃したりします。
入力項目を増やしすぎると記録されなくなるため、営業判断に使う情報へ絞りましょう。「不在」「担当者接続」「資料送付」「再連絡」「アポイント」などの選択肢を設けると、結果を集計しやすくなります。
録音を使ってロープレ・振り返りを行う
録音は、担当者を評価するためだけでなく、相手の反応を確認する材料として使います。
「担当者へつながったが冒頭で断られた通話」「資料送付からアポイントにつながった通話」など、検証するテーマを決めて聞くと効率的です。
成果を出している人の雰囲気だけをまねるのではなく、次の点を言語化して共有します。
- 冒頭で何を伝えたか
- 最初にどの質問をしたか
- 相手のどの発言を受けて提案したか
- どのタイミングで日程を提示したか
通話録音を扱う際は、利用目的、閲覧できる人、保存期間を社内で定めてください。個人情報や機密情報を含む可能性があるため、利用中のシステムや社内規程も確認しましょう。
切り返しとFAQを蓄積する
現場で出た質問と回答を一覧にし、スクリプトへ反映します。想定問答は、担当者が安心して対応できるだけでなく、商品説明や訴求の不足を見つける材料にもなります。
毎週すべてを書き直す必要はありません。同じ質問や断りが複数回続いたら、回答、訴求、ターゲットのどこに原因があるかを見直す、といった更新条件を決めておくと運用しやすくなります。
CRM・SFA・CTIを活用する
CRMは顧客情報、SFAは商談や営業活動、CTIは電話業務の管理に使う仕組みです。ツールによっては、クリック発信、通話録音、着信履歴、担当者への自動割り当てなどを行えます。
ただし、ツールの導入だけで電話営業が改善するわけではありません。1日20件程度の架電で記録漏れが課題なら、まず既存の管理方法を整えるだけで改善できる場合もあります。
必要な機能が何かを決めてから、現在の業務に合うツールを選びましょう。
架電体制をつくりにくい場合は、営業代行に任せる方法もある
電話営業は、社内の担当者だけで運用する方法に限りません。新規市場で反応を確かめたい場合や、架電担当者の採用・教育まで手が回らない場合は、営業代行を活用する方法もあります。
ただし、アポイント数だけを依頼条件にすると、受注につながりにくい商談が増えるおそれがあります。委託先を選ぶ際は、どの状態になれば商談として引き継ぐのかを、事前にそろえておくことが重要です。
- ターゲット設計やリスト作成から依頼できるか
- アポイントとして数える条件を事前に決められるか
- 通話結果や断りの理由が共有されるか
- 定例で数値と録音を確認できるか
- 結果をもとにリストやトークを改善するか
- 商談後の結果を次の架電へ反映できるか
「情報交換」「まずは話を聞きたい」といった理由だけの面談をアポイントとして扱うと、件数は増えても受注にはつながりません。アポイントの条件は、委託前に書面で共有しておきましょう。
電話営業に関するよくある質問
電話営業は何時から何時までが適切ですか?
業界や職種によって異なるため、すべての企業に共通する時間帯はありません。
店舗であれば来店が集中する時間、医療機関であれば診療時間、オフィス勤務者であれば会議が多い時間を避けるなど、相手の業務から仮説を立てます。
実際の接続数を曜日・時間帯別に記録し、50件、100件と件数がたまった段階で比較してください。感覚ではなく、自社のリストで得た結果を基準にすることが大切です。
1日何件を目安に電話すればよいですか?
必要な架電数は、商材、対象企業、リストの鮮度、担当者接続率によって変わります。他社の平均値だけで判断することはできません。
たとえば、自社で200件架電し、4件のアポイントを獲得したなら、現時点のアポ率は2%です。同じ条件が続くと仮定すれば、1件のアポイントに必要な架電数は50件と考えられます。
ただし、リストや訴求を変えれば結果も変わります。固定値として扱うのではなく、結果がたまるたびに更新しましょう。
「お忙しいところ失礼します」は言うべきですか?
使っても問題ありませんが、前置きが長くならないようにします。
お忙しいところ失礼します。株式会社〇〇の△△です。
店舗採用の応募対応についてご提案があり、お電話しました。
名乗りと用件までを簡潔に伝え、相手が話せない状況であれば、無理に会話を続けず改めます。
一度断られた相手へ再度電話してもよいですか?
断られた理由と、相手の意向によります。
「来期に見直す」「更新は10月」と具体的な時期が分かった場合は、その時期に合わせて連絡できます。新しい導入事例や機能が、前回の断りの理由を解消できる場合も、再提案の余地があります。
一方で、今後の連絡を望まないと言われた場合は、履歴を残して連絡を止めてください。理由のない定期電話は避けるべきです。
電話営業とメール営業はどちらが効果的ですか?
目的によって使い分けます。
メールは、資料やURLを正確に伝えられ、相手の都合で確認できる手段です。電話は、その場で反応を確認し、質問に応じて説明を変えられます。
たとえば、電話で現在の状況を確認して関連資料を送り、数日後に再度電話する流れが考えられます。問い合わせへの対応なら、先にメールで候補日時を送り、電話で補足する方法もあります。
どちらか一方に決めるのではなく、相手との接点や検討段階に合わせて組み合わせましょう。
電話営業が苦手な場合、何から改善すべきですか?
まずは、話し方を変えようとする前に、電話の目的と最初の質問を見直してください。
「何を売るか」だけを考えると、説明が長くなりがちです。「この電話で何を確認できれば次に進めるか」を決めると、会話の負担が減ります。
そのうえで、成果が出た通話と出なかった通話を録音で聞き比べ、冒頭の伝え方、質問、日程の提案方法を一つずつ調整しましょう。
まとめ
電電話営業の成果は、話し方だけでなく「誰に電話するか」「何を聞くか」「次に何を決めるか」の設計で変わります。
アポにつながらない場合は、架電数を増やす前に、つながらない工程を切り分けて見直しましょう。ターゲット、受付への伝え方、担当者への質問、商談の案内を改善していくことで、再現性のある営業活動につながります。
MUSUBIでは、ターゲット設計からトーク作成、架電、改善まで、BtoBの新規開拓営業を支援しています。電話営業の進め方や体制づくりにお悩みの方は、まずはサービス資料をご覧ください。
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