テレアポで断られたときの返事|断り文句別の切り返し例と、引くべき判断

テレアポでは、断られること自体は珍しくありません。問題は、断られたときに焦って商品説明を重ねたり、反射的に「少しだけでも」と押し返したりして、会話を完全に閉じてしまうことです。
断り文句には、本当に不要なケースだけでなく、「今は手が離せない」「誰に判断を仰ぐべきかわからない」といった事情が含まれていることもあります。
大切なのは、どの断りにも同じ切り返しをすることではありません。相手の状況を短く確かめ、再架電・資料送付・撤退のどれが適切かを判断することです。
以下では、「製造業向けの生産管理SaaS」を提案する場面を例に紹介します。自社商材に合わせて、課題・対象業務・導入範囲の部分を置き換えてご活用ください。
この記事でわかること
- 断られたときは、商品説明を重ねず、相手の状況に合わせて再架電・確認・終了を選ぶ
- 「忙しい」「他社を使っている」など理由がある断りには、一つだけ確認すれば次回の接点を残せる
- 「結構です」「営業電話は不要」と明確に断られた場合は、切り返さず引くほうが印象も成果もよい
テレアポで断られたとき、最初に返す一言
断られた直後は、商品説明を重ねる前に、まず相手の言葉を受け止めます。
ただし、その後に確認を続けるか、その場で電話を終えるかは、断られ方によって変わります。
- 「今忙しい」「会議中」など理由が明確な場合:再架電してよいかを確認する
- 「他社を使っている」「予算がない」など状況がわかる場合:一つだけ背景を確認する
- 「結構です」「営業電話は不要」など明確な拒否の場合:切り返さず終了する
たとえば、「今は結構です」と言われた場合は、無理に理由を聞かず、次のように終えるのが基本です。
「今は結構です」と言われたときの返し方例文
「承知しました。お忙しいところ失礼いたしました。」
一方、「今は会議中です」「手が離せません」など、タイミングの問題だとわかる場合は、再度連絡してよいかを確認します。
「今は結構です」と言われたときの返し方例文
「承知しました。差し支えなければ、改めてご連絡してもよろしいでしょうか?」
再架電の了承が得られた場合は、つながりやすい日時を確認し、記録します。断りを覆すことではなく、次に連絡してよい状況かを判断することが目的です。
断られた直後に言わないほうがよい返事
次のような返しは、相手の断りを無視しているように聞こえやすいため注意が必要です。
- 「少しだけでよいので」
- 「御社にぴったりのサービスなので」
- 「他社より安くできます」
- 「とりあえず話だけでも聞いてください」
もちろん、商材や関係性によっては説明を続ける余地もあります。ただし、相手が理由を話す前に決め打ちで説明すると、「営業電話を切りたい」という気持ちを強める原因になります。
まず確認|その断りは「不要」なのか「今は無理」なのか
断り文句は、大きく3つに分けて考えると対応しやすくなります。
| 断りの種類 | 代表的な言葉 | 基本の対応 |
|---|---|---|
| タイミングの問題 | 忙しい、今は難しい | 再架電の可否と時間を確認する |
| 現状で足りている | 間に合っている、他社を使っている | 現状や見直し時期を確認する |
| 明確な拒否 | 結構です、営業電話は不要 | 無理に続けず、その場で引く |
「忙しい」と言われた相手に長く説明しても、良い結果にはつながりにくいでしょう。一方で、「他社を使っている」という相手には、契約更新や支援範囲の見直し時期があるかもしれません。断り文句そのものではなく、背景に何があるのかを見極めることが、切り返しの精度を高めます。
断り文句別|テレアポで断られたときの返し方・例文
「今忙しい」「時間がない」と言われたとき
「忙しい」は、実際に手が離せない場合もあれば、用件を聞かずに電話を終えたい場合もあります。その場で説明を続けるより、再度連絡してよいかを短く確認しましょう。
悪い返し方は、「30秒だけですので」「すぐ終わりますので」と、そのまま説明に入ることです。相手が本当に忙しい場合、内容が届かないだけでなく、印象も悪くなります。
「今忙しい」「時間がない」と言われたときの返し方例文
「承知しました。差し支えなければ、今はお忙しいご状況でしょうか。差し支えなければ、つながりやすい時間帯だけ教えていただけますか?」
再架電の時間を指定してもらえた場合は、単なる不在ではなく、接点を残せた状態です。日時が曖昧なまま終わらせず、「明日の午後」「来週の火曜日」など、できるだけ具体的に記録しましょう。
「間に合っています」と言われたとき
「間に合っている」は、現在の運用に満足している場合だけでなく、見直す必要性をまだ感じていない場合にも使われます。
ここで「今より良くなります」「御社にも絶対に必要です」と否定すると、相手は防御的になりやすいでしょう。現状を変えさせようとするのではなく、見直す可能性がある時期だけを確認します。
「間に合っています」と言われたときの返し方例文
「承知しました。すでに社内で対応されている形でしょうか。それとも外部の会社をご利用されていますか?」
「外部に委託している」とわかった場合は、さらに次のようにつなげられます。
「ありがとうございます。すぐの切り替えではなく、契約更新や体制見直しのタイミングで比較される企業様も多いのですが、そうしたご予定はありますか?」
見直し予定がない場合は、深追いしないことも大切です。時期だけ記録し、適切なタイミングで再度アプローチするほうが現実的です。
「必要ありません」「興味がありません」と言われたとき
商材の内容を十分に伝える前に出る「必要ありません」は、反射的な断りであることも少なくありません。
ただし、「なぜ必要ないのですか」と詰めるのは逆効果です。相手の負担を増やさないよう、対象となる業務や課題を一つだけ示して確認します。
「必要ありません」「興味がありません」と言われたときの返し方例文
承知しました。今回、【御社にお電話した理由】を踏まえ、【対象業務】に関するご支援をご案内しています。現在、この点を見直されるご予定はございますか?
製造業向けSaaSの例
承知しました。今回、生産計画や進捗管理をExcelで運用されている製造業様向けに、管理負荷を減らすSaaSをご案内しています。こうした管理方法の見直しも、現時点ではご予定はないご状況でしょうか?
この返し方なら、相手に商材全体を理解してもらおうとせず、関係がありそうな一点だけを確認できます。それでも不要だと明確に言われた場合は、その場で引きましょう。
要件を伝える前に「結構です」と言われたとき
「結構です」は、明確な拒否として受け止めるのが基本です。受付でも、用件と担当部署を一度伝えて断られた場合は、その場で終了しましょう。
【受付】要件を伝える前に「結構です」と言われたときの返し方例文
承知しました。今回、【御社にお電話した理由】から、【対象業務】に関するご案内でお電話しています。
こうした内容は、【想定される担当部署・役職】のどちらがご担当でしょうか?
製造業向けSaaSの例
「承知しました。製造現場の生産計画や進捗管理に関するSaaSのご案内でお電話しています。このようなご相談は、生産管理部門と情報システム部門のどちらが担当されますか?」
担当者本人から「結構です」と言われた場合は、次のように終えるのが自然です。
【担当者】「結構です」と言われたときの返し方例文
承知しました。お忙しいところ失礼いたしました。今後のご案内は差し控えさせていただきます。
連絡停止の意思が示された場合は、必ずリストから除外します。
「検討します」と言われたとき
「検討します」は前向きな返答に見えても、会話を終えるための言葉として使われることがあります。期待しすぎず、何を検討するのか、いつなら連絡してよいのかを確認しましょう。
【担当者】「検討します」と言われたときの返し方例文
ありがとうございます。差し支えなければ、【検討される背景・確認したい点】だけ伺ってもよろしいでしょうか?
【検討される背景・確認したい点】:社内での優先度/現在の運用との違い/費用感
資料送付を希望された場合は、送るだけで終わらせないことが重要です。
【担当者】「検討します」と言われたときの返し方例文②
「では、特にご覧いただきたい事例を含めてお送りします。ご確認後、来週の後半に一度だけご感想を伺ってもよろしいでしょうか?」
次回連絡の了承が取れなければ、資料送付は接点づくりにとどまります。送付日・資料内容・再連絡の可否を記録しておきましょう。
「他社を使っています」「取引先があります」と言われたとき
他社を利用していることは、必ずしも見込みがないという意味ではありません。すでに委託している領域以外に課題があったり、契約更新のタイミングで比較されたりする可能性があります。
ただし、既存の取引先を否定したり、無理に切り替えを促したりするのは避けましょう。
【担当者】「他社を使っています」「取引先があります」と言われたときの返し方例文
承知しました。すでに【対象業務】でお取引先があるのですね。
今回、【御社にお電話した理由】から、【提供できる価値・改善できること】でお役に立てる余地があるのではと思い、ご連絡しました。
差し支えなければ、【既存取引先の対応範囲/今後見直す可能性】についても、すでに十分対応されていらっしゃいますか?
【担当者】製造業向けSaaSの例
「承知しました。すでに運用を整えていらっしゃるのですね。すぐの切り替えではなく、生産品目の増加や拠点追加に合わせて管理方法を見直される企業様もありますが、そうしたご予定はございますか?」
相手が現行サービスに満足している場合は、そのまま引いて問題ありません。更新時期や繁忙期がわかれば、将来の再アプローチ候補として記録します。
「予算がありません」「高そうです」と言われたとき
予算がないという言葉の背景には、「今期は使えない」「費用対効果が見えない」「営業活動の優先度が低い」など、複数の理由があります。すぐに値引きを持ちかけるのではなく、どこに懸念があるかを確かめましょう。
【担当者】「予算がありません」「高そうです」と言われたときの返し方例文
承知しました。ご予算は大切ですよね。
今回、【御社にお電話した理由】から、【提供できる価値・改善できること】でお役に立てるのではと思い、ご連絡しました。
差し支えなければ、現時点では【対象業務・課題】を見直す優先度が低いご状況でしょうか。それとも、【導入・支援の範囲】を絞れれば、ご検討の余地はありますか?
【担当者】製造業向けSaaSの例
「ご予算面は大切ですよね。現時点では生産管理の見直し自体の優先度が高くないご状況でしょうか。それとも、対象工程や利用部署を絞れれば検討の余地はありますか?」
商材によっては、対象業務や部署を限定して検討できる場合もあります。
ただし、価格の話だけで会話を続けると、安さだけを比較されやすくなります。まずは相手が解決したい課題と、任せたい範囲を整理することが先です。
「資料を送ってください」と言われたとき
資料送付は、アポ獲得ではありません。ただし、次の会話につなげる機会にはなります。送付先だけを聞いて終わらせず、相手が知りたい内容と、次回連絡の可否を確認しましょう。
【担当者】「資料を送ってください」と言われたときの返し方例文
承知しました。資料は、【費用感/支援・機能の範囲/同業他社の事例】の資料をお送りします。
ご確認後、【再度ご連絡する時期】に一度だけご状況を伺ってもよろしいでしょうか?
資料送付後は、了承を得た時期に短く連絡し、ご確認状況を伺います。送付日・送付内容・再連絡の可否を記録しておくと、次回の会話につなげやすくなります。
受付に断られたときは、担当者への返し方と分ける
受付の方は、営業電話を振り分けたり、不要な電話を止めたりする役割です。担当者本人に話す場合と同じように切り返しても、つながりにくくなります。
受付での目的は、無理にその場で担当者につないでもらうことではありません。担当部署やつながりやすい時間帯を把握し、次のアプローチにつなげることです。
「営業ですか?」と聞かれたとき
営業であることを隠したり、「ご挨拶です」「確認事項です」などと曖昧にしたりするのは避けましょう。担当者につながったとしても、後から不信感につながります。
用件と、話したい部署を短く伝えるのが基本です。
【受付】「営業ですか?」と聞かれたとき
はい、【対象業務】に関するご支援のご提案でお電話しています。
【御社にお電話した理由】から、【想定される課題・改善テーマ】について、一度ご相談できればと思いまして。こちらは【担当部署・役職】の方に短くご相談できればと思っております。
【受付】製造業向けSaaSの例
「はい、製造現場の生産計画や進捗管理を効率化するSaaSのご案内でお電話しています。生産管理をご担当されている方に、短くご相談できればと思っております。」
担当部署がわかれば、企業サイトやSNS、問い合わせフォームなど別の接点も検討できます。
「担当者につなげられません」と言われたとき
「営業部長をお願いします」のように役職だけを伝えても、受付では担当者を判断できないことがあります。まずは用件と関係する業務を簡潔に伝え、担当部署を確認することが大切です。
ただし、用件を伝えたうえで「担当者につなげられません」と断られた場合は、強引に担当部署やメールアドレス、つながりやすい時間帯を聞き出そうとしないようにしましょう。会社として営業電話の取次ぎを控えているケースもあるためです。
なお、「担当者が不在です」「現在は取り次げません」など、一時的な理由の場合のみ、再架電の可否を確認します。
「営業電話はお断りしています」と言われたとき
営業電話を受け付けないルールがある企業には、食い下がらないことが重要です。「一度だけ」「30秒だけ」と続けると、企業や担当者に悪い印象を残します。
【受付】「営業電話はお断りしています」と言われたときの返し方例
承知しました。お忙しいところ失礼いたしました。今後のご案内は差し控えさせていただきます。
明確に連絡停止を求められた場合は、架電リストに記録し、再架電の対象から外してください。営業電話を断るルールがある企業は、電話以外のチャネルを検討するか、対象外として扱うほうが適切です。
切り返す・再架電する・引く|判断基準を決めておく
断られるたびに担当者の感覚で対応を変えると、架電品質が安定しません。あらかじめ判断基準を決めておくと、無理な切り返しを減らしながら、見込みのある企業を取りこぼしにくくなります。
切り返してよいケース
次のように、相手から具体的な情報が出た場合は、一度だけ質問を重ねる余地があります。
- 「今は別の会社に頼んでいる」
- 「予算は今期分を使い切っている」
- 「来期に体制を見直す予定がある」
- 「担当者が不在で、午後なら戻る」
- 「資料なら見てもよい」
たとえば「他社を使っている」と言われた場合、すぐに切り替えを迫る必要はありません。契約更新や繁忙期など、見直しが起きやすい時期を確認できれば、次回のアプローチにつながります。
再架電につなげるケース
「今忙しい」「会議中」「担当者が外出している」といった断りは、商材そのものへの拒否ではなく、タイミングの問題である可能性があります。
この場合は、再架電の日時をできる限り具体化しましょう。
- 「明日の15時以降」
- 「来週火曜の午前」
- 「月末を過ぎてから」
- 「担当者が戻る17時ごろ」
「また改めます」だけでは、次回も同じ結果になりやすくなります。誰に、いつ、何を伝えるかまで記録して初めて、再架電の価値が生まれます。
その場で引くケース
以下の場合は、切り返しよりも終了を優先してください。
- 一度確認したうえでも「必要ありません」「結構です」と明確に断られた
- 今後の連絡を断られた
- 受付から営業電話禁止と伝えられた
- 相手が明らかに不快そうで、会話を続ける余地がない
断られた企業すべてを見込みなしとする必要はありません。ただし、拒否の意思を無視して架電を続けることは、アポ率の改善にもつながらず、自社の印象も損ねます。
断られた理由を記録すれば、テレアポは改善できる
断り文句を個人の話し方だけの問題にすると、架電の改善は進みません。断られた理由を記録して集計すると、リスト・訴求・架電時間帯のどこに課題があるのかを判断できます。
たとえば、次のような項目を残しておくと分析しやすくなります。
| 記録項目 | 記録例 |
|---|---|
| 断り文句 | 忙しい、他社利用、予算なし、不要 |
| 相手 | 受付、担当者、決裁者 |
| 背景情報 | 契約更新は12月、担当者は午後在席 |
| 次の対応 | 9月に再架電、資料送付、対象外 |
| 再架電日時 | 8月20日15時、10月第1週 |
また、断り理由ごとに多い傾向を確認すると、改善策も見えてきます。

たとえば、「必要ない」と言われる割合が特定の業界で高いなら、その業界が本当に対象として適しているのか、最初に伝えている価値がずれていないかを確認すべきです。
断られた結果も、次の架電設計に使える情報です。アポにならなかった理由を残し続けることで、切り返しトークだけでなく、狙う企業や架電方法そのものを改善できます。
まとめ|断られたときは、アポだけを取りにいかない
テレアポで断られたときは、すぐに説明を重ねるのではなく、相手の状況を受け止めたうえで次の対応を選ぶことが大切です。
- 忙しい場合は、再架電できる日時を確認する
- 他社利用や予算の話が出た場合は、見直し時期や条件を確認する
- 明確に断られた場合は、無理に切り返さず引く
- 断り理由を記録し、リスト・訴求・架電時間帯の改善に使う
切り返しの目的は、その場で無理にアポを取ることではありません。相手に合った次の一手を選び、見込みのある企業に時間を使える状態をつくることです。
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